サービス付き高齢者向け住宅の【登録基準① 】
サービス付き高齢者向け住宅の登録基準は、3つに分類されます。
【住宅に関する基準】 【サービスに関する基準】 【契約に関する基準】
下記に、これまでの高齢者専用賃貸住宅と対比し、表にまとめます。
【サービス付き高齢者向け住宅と高齢者専用賃貸住宅の登録基準の比較】
サービス付き高齢者向け住宅 | 高専賃 | ||
住宅に関する基準 | 入居者 | ① 単身高齢者世帯 ② 高齢者+同居者
「高齢者」…60歳以上の者または要介護・要支援認定を受けている者
「同居者」…配偶者/60歳以上の親族/要介護・要支援認定を受けている親族/特別な理由により同居させる必要があると知事が認める者 |
高齢者又は当該高齢者と 同居するその配偶者 |
戸数 | 制限なし | 制限なし | |
規模 | 1戸当たりの床面積は原則25㎡以上
(居間、食堂、台所等、高齢者が共同して利用するために十分な面積を有する共用設備がある場合は18㎡以上)
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1戸当たりの床面積は原則25㎡以上 (居間、食堂、台所等、高齢者が共同して利用するために十分な面積を有する共用設備がある場合は18㎡以上) |
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構造 | 制限なし | 制限なし | |
設備等 | 原則として各戸に台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を設置
(共用部分に共同して利用するため適切な台所、収納設備、浴室を備えた場合は、各戸が水洗便所と洗面設備を備えていれば可)
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原則として各戸に台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を設置 (共用部分に共同して利用するため適切な台所、収納設備、浴室を備えた場合は、各戸が水洗便所と洗面設備を備えていれば可) |
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住戸内基準(バリアフリーの基準) | バリアフリー構造であること。
(段差のない床、手すりの設置、廊下幅の確保)原則、平成17年国土交通省告示第1151号に相当する基準を満たすこと。改修の場合で、やむを得ない事情により当該基準に適合させることが適当ではないと認められる場合には、平成21年国土交通省告示第351号に相当する基準に緩和される場合がある。なお、この判断は、登録時に登録主体により行われる。
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制限なし | |
サービスに 関する基準 |
少なくとも状況把握(安否確認)サービス、生活相談サービスを提供 社会福祉法人、医療法人、指定居宅サービス事業所等の職員または医師、看護師、介護福祉士、介護支援専門員、ヘルパー2級以上の資格を有する者が少なくとも日中常駐し、サービスを提供する。常勤しない時間帯は、緊急通報システムにより対応。 |
制限なし | |
契約関連に 関する基準 |
○書面による契約であること。 ○居住部分が明示された契約であること。 ○権利金その他の金銭を受領しない契約であること。 (敷金、家賃及びサービス費、家賃及びサービス費の前払金のみ徴収可。) ○入居者が入院したことまたは入居者の心身の状況が変化したことを理由として、入居者の同意を得ずに居住部分の変更や契約解除を行わないこと。 ○サービス付き高齢者向け住宅の工事完了前に、敷金及び家賃等の前払金を受領しないものであること。 家賃等の前払金を受領する場合 ・家賃等の前払金の算定基礎、返還債務の金額の算定方法が明示されていること。 ・入居後3ケ月以内に、契約を解除または入居者が死亡したことにより契約が終了した場合、(契約解除までの日数×日割計算した家賃等)を除き、家賃等の前払金を返還すること。 ・返還債務を負うこととなる場合に備えて、家賃等の前払金に対し、必要な保全措置が講じられていること。 ○基本方針及び高齢者居住安定確保計画に照らして適切なものであること。 |
前払家賃等(前払家賃、サービス対価前払金、敷金以外の一時金)を受領する場合、前払家賃等の算定の基礎を書面で明示し、かつ、保全措置が講じられていること。
賃貸条件型サービスを提供する契約を締結する場合、住宅に係る賃貸借契約とは別に、提供されるサービス内容及びその対価として受領する金銭の概算額が書面で明示された契約を締結しなければならない。 |
サービス付き高齢者向け住宅の登録基準において、変わった点は、上記表の赤字になります。
住宅に関する基準では、入居者について、これまで高齢者ということで、具体的に定めていませんでしたが、今回、60歳以上の者または要介護・要支援認定を受けている者と定義され、同居者についても、配偶者/60歳以上の親族/要介護・要支援認定を受けている親族/特別な理由により同居させる必要があると知事が認める者と具体的に定められました。
住戸内基準(バリアフリーの基準)についても、全く制限がありませんでしたが、今回、段差のない床、手すりの設置、廊下幅の確保など明確になりました。
ここでの基準は、原則、平成17年国土交通省告示第1151号に相当する基準とされています。ただし、改修の場合で、やむを得ない事情により当該基準に適合させることが適当ではないと認められる場合には、平成21年国土交通省告示第351号に相当する基準に緩和される場合があるとされています。なお、この判断は、登録時に登録主体により行われます。
- ●平成17年国土交通省告示第1151号
- ●平成21年国土交通省告示第351号
サービスに関する基準は、少なくとも状況把握(安否確認)サービス、生活相談サービスを日中常駐し、サ提供し、常勤しない時間帯は、緊急通報システムにより対応することされました。
さらに、提供する者についても、社会福祉法人、医療法人、指定居宅サービス事業所等の職員または医師、看護師、介護福祉士、介護支援専門員、ヘルパー2級以上の資格を有する者とされました。
契約関連に関する基準については、居住の安定性や、金銭関係の明朗性が強化され、入居者が安心して住める内容とされたようです。
今回の、住居、サービス、契約の基準の改正により、これまで登録されていた高齢者専用賃貸住宅のうち、老朽化した建物や、一般的な集合住宅、戸建。空室対策に高齢者向けと謳っている住宅。一時金目的の事業。などなど、高齢者専用賃貸住宅という言葉のイメージとは無縁のものが排除されると思います。
サービス付き高齢者向け住宅は、今後この登録基準により、高齢者が安心して安全に暮らせる住宅としての信頼向上が期待さます。
さて、サービス付き高齢者向け住宅の登録制度の【登録基準】について、ここで出てきた、
- ●平成17年国土交通省告示第1151号
- ●平成21年国土交通省告示第351号
について、次に表にし対比市掲載します。