2.有料老人ホームとは何か
さて、次に有料老人ホームとは何でしょうか。
先ほどと同じように基本となる条文を確認してみましょう。
(昭和三十八年七月十一日法律第百三十三号)
第29条本文一部抜粋
「老人を入居させ、入浴、排せつ若しくは食事の介護、食事の提供又はその他の日常生活上必要な便宜であって厚生労働省令で定めるもの(以下 「介護等」という。)の供与(他に委託して供与をする場合及び将来において供与をすることを約する場合を含む。)をする事業を行う施設であって、老人福祉 施設、認知症対応型老人共同生活援助事業を行う住居その他厚生労働省令で定める施設でないものをいう。」
これが条文に登場する「有料老人ホームの定義」です。
括弧書きの関係で読みにくい文章になっています。
そこで括弧書きを削除してみます。
①老人を入居させ、入浴、排せつ若しくは食事の介護、食事の提供又はその他の日常生活上必要な便宜であって厚生労働省令で定めるものの供与をする事業を行う施設であって、
②老人福祉施設、認知症対応型老人共同生活援助事業を行う住居その他厚生労働省令で定める施設でないもの
「○○であって、○○でないもの」という定義の仕方をしていることが明らかになり、わかりやすくなったのではないでしょうか。
ちなみにこの条文に出てくる「老人」が「高齢者」と同義なのか、60歳、65歳のいずれかといった問題がありますが、根拠となる条文がわからないため、ここでは言及しません。
また、①の「その他の日常生活上必要な便宜であって厚生労働省令で定めるもの」とは何かという点ですが、これは次の条文に明記されています。
第20条の3
法第29条第1項に規定する厚生労働省令で定める便宜は、洗濯、掃除等の家事又は健康管理とする。
したがって、①を書き直すと
①老人を入居させ、入浴、排せつ若しくは食事の介護、食事の提供又は洗濯、掃除等の家事又は健康管理の供与をする事業を行う施設であって
と、さらにその内容がはっきりしました。
さて、ここまででの説明で有料老人ホームとは何かわかったと思います。
それでは
1.高齢者専用賃貸住宅とは何か
2.有料老人ホームとは何か
の説明を踏まえた上で、高齢者専用賃貸住宅は有料老人ホームか?
という設問を考えてみてください!