高齢者の居住の安定確保に関する法律改正により定められたサービス付き高齢者向け住宅とは?
高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年四月六日法律第二十六号)等の一部を改正する法律(平成二十三年四月二十八日法律第三十二号・ 平成二十三年十月施行)により定められたサービス付き高齢者向け住宅とは、改正前の高齢者向け住宅の廃止により誕生しました。
改正前 | 改正後 | |
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高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃) 高齢者専用賃貸住宅(高専賃) 高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃) |
廃止 | サービス付き高齢者向け住宅 |
このことにより、複雑多岐にわたり、理解しにくかった、高齢者の居住の安定確保に関する法律に定義される高齢者向けの住宅、老人福祉法に定義される有料老人ホームや施設、さらにはそれら住宅や施設における介護保険法との関係が下記のように整理されました。
【高齢者の居住の安定確保に関する法律改正による 高齢者向け住宅】
赤枠 介護保険法に定められた「特定施設」
橙破線 介護保険法に定められた「特定施設」
斜線 介護保険法に定められた介護付の特定施設
高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律により、高齢者向け住宅が上記のように整理されるとともに、サービス付き高齢者向け住宅の登録制度が創設され、
- 【登録基準】 住宅に関する基準 / サービスに関する基準 / 契約に関する基準
- 【登録事業者の義務】
- 【行政による指導監督】
が定められました。
すなわち、サービス付き高齢者向け住宅とは、高齢者の居住の安定確保に関する法律に定められた基準を満たし、登録された住宅ということです。
サービス付き高齢者向け住宅において、入浴、排せつ若しくは食事の介護、食事の提供又は洗濯、掃除等の家事又は健康管理の供与(老人福祉法第29条)のサービスを提供する場合、老人福祉法に定義される有料老人ホームに該当し、設置者は、都道府県知事への届出が義務とります。
しかし、高齢者の居住の安定確保に関する法律に定められた基準を満たし、登録されたサービス付き高齢者向け住宅の設置者は、老人福祉法における、
- ○有料老人ホームを設置をしようとする場合の事業内容の届出(老人福祉法29条第1項)
- ○有料老人ホームの届出内容の変更、事業の廃止・休止の届出(老人福祉法第29条第2項・第3項)
の規定は適用されません。
また、老人福祉法に定義される有料老人ホームであっても、高齢者の居住の安定確保に関する法律に定められた、基準を満たすものは、サービス付き高齢者向け住宅として登録をする事も出来ます。
次に、サービス付き高齢者向け住宅の登録基準について詳しく見ていきます。